基本的に最近読んだものから、降順に記載しています。あくまで自分が後で振り返るためのものです。
資本主義の方程式
モノ中心の成長経済と、カネ中心の成熟経済を区別して考える必要がある。十分な生産能力を持つ成熟経済では資産選好が消費選好を上回り、人々は無限にカネを持つことに喜びを感じるようになる。そのため成熟経済では総需要不足が生じ、失業と経済停滞に苦しむが、この経済では、デフレ、ゼロ金利、資産バブルが生じるため、従来型の貨幣供給を増加させる形での 財政金融政策は効果がない。個人レベルではカネを貯めることばかりを考えてしまうのは仕方がないので、国が民間では投資しにくいものの意味のある対象に投資していくことが重要。
サラ金の歴史
金融技術を磨くことが、サラ金の差別化に直接的につながる。例えば、過去には、大企業の社員が住む団地を廻るとサラ金は効率よく営業ができることを発見したが、これは、属性が良く、かつ、見栄を張りがちな人々であることが事前に分かっているようなものだったからである。
プログラミングのための線形代数
大学で線形代数をやった時に、何故、ランクの計算や対角化といった計算プロトコルが必要になるか、いまいち必要性を理解できなかったが、これを読むと、それら計算がいつ役に立つかがわかる。どんどんと読み進めたいと思う、とても良い本であった。
プログラミング TypeScript
TypeScriptが、良くも悪くも型に自由なJavaScriptに対して型を矛盾なく導入するために、非常に洗練された型システムのデザインを持つことがわかる。
数値計算の常識
数値計算を行う上で気を付けるべきことが理論とともに書かれている。試しに数値計算をやってみる分には理論的背景に関する知識がなくても、それなりの結果がそれらしく出てくるが、それだと間違いうることがわかる。また、数値計算からより多くの知見を得るためにも役立つ内容だった。
ルワンダ中央銀行総裁日記
1965年、日本人が、経済的に困窮するアフリカの小国ルワンダの中央銀行総裁として経済立て直しをする話。国際金融の勉強になるとともに、人の役に立つ仕事の一例として強く印象に残った。また、そういう仕事においても、泥臭い作業がベースになっていることを感じた。
目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
現代貨幣理論MMTについて書かれている本。インフレとデフレの説明から入り、バランスをとることが重要で、どんな施策がインフレ・デフレのどっちに寄せる働きをするのかがよくわかる。今の日本がデフレであるなら、インフレ政策が重要で、金融緩和も良いが、すでに金利が底打ちしている以上、国債発行と投資が重要である。また、増税はインフレ対策なので、今やるべきではない。と書かれている。ルワンダ中央銀行総裁日記と合わせて、私が何より感じたのは、民間がお金を有効に使えるように(あるいは、使いたいと思うように)して、生産性を増加させることが最終的に何より大事だということ。生産性を増やすための一つの方法が、大人も含めた教育であるのは、よく言われていることである。
ゼロから作るDeep Learning
ディープラーニングの仕組みがよくわかる。特に、計算グラフでバックプロパゲーションを説明している部分がわかりやすい。ロジスティック回帰のコスト関数の形式が、バックプロパゲーションをやりやすくする上で都合の良い形になるよう、逆算されて構成されていることがわかり、色々の知識がつながった感があった。
クラウドを支えるこれからの暗号技術
ゼロ知識証明や、放送暗号といった、高度な暗号技術についての解説が勉強になった。これらで何か新しいサービスを自分で作りたいと思うのだが、いまのところそれには至っていない。
GPU 並列図形処理入門
GPUのプログラミングのやり方を学ぶ本、というよりは、GPUで色々な計算ができることが知れる本。そして、OpenGLの本でもあるので、OpenGLが得意な計算がどういうものかわかる。具体的には、デプスバッファを使うだけで並列化可能なものはOpenGLで高速に計算できるが、その枠にはまらないものはCUDAなど、より汎用的な仕組みで計算しないといけない。
CUDA C プロフェッショナル プログラミング
GPUのプログラミングのやり方を学ぶ本。GPUの作りに沿った高速な実装の方法が書いてある。実践的な内容で、CUDAを使ってサンプルコード以上のものを書く時には横に置いておきたい一冊。