顕微鏡画像の扱い方と解析の流れ

顕微鏡で撮影した画像・動画は、顕微鏡メーカーの定めた独自のフォーマットで保存されます。例えばZEISSの顕微鏡ではCZIフォーマットになります。初めからTIFFなどで保存してしまうのも一つの手段ではありますが、多くの場合、独自フォーマットでは、ゲインや倍率など後になって有益となるかもしれない情報を含めるようになっています。そのため、まずは顕微鏡メーカーの定めたフォーマットで保存することが大切だと思います。

ただし、このままでは顕微鏡メーカーの提供するソフトウェアでないと画像を見ることすらできないので、OpenCVで解析を行うにあたり、ImageJのBioFormatsプラグインでTIFFなどに変換します。注意が必要なのは顕微鏡でタイムラプスなどの動画を撮影した場合です。BioFormatsで変換するときに、連番のTIFF、 JPEGなどで保存する場合には、OpenCVで直接読み込むことができますが、マルチページTIFFで保存する場合にはOpenCVとデフォルトのC++では直接読むことができません。連番画像の読み込み、書き出しはこちらのページでコードを紹介しています。マルチページTIFFをC++で読み込むためにlibtiffというオープンソースのライブラリをインストールする必要があります。流れとしては以下のようになります。

[静止画の場合] 撮影—CZI等の独自フォーマットで保存—ImageJのBioFormatsでTIFFに変換—OpenCVで読み込み
[動画の場合1] 撮影—CZI等の独自フォーマットで保存—ImageJのBioFormatsで連番TIFFに変換—OpenCVで読み込み
[動画の場合2] 撮影—CZI等の独自フォーマットで保存—ImageJのBioFormatsでマルチページTIFFに変換—libtiffで読み込み