自由研究に何をやればいいか分からない人へ

他の人とちょっと違う自由研究がしたい!という人がどれくらいいるのかわかりませんが、オリジナリティの出し方についての記事です。 小中学生とその親向けに書いてみました。

「他の人と同じでもいい」あるいは「他の人と同じようなのがいい」というように考えている人は「夏休み 自由研究」で検索すればたくさん出てくるので、10分で終わりそうなものを選べば良いと思います。

「他の人と違う自由研究がいい」と考えている人

さて、どんな自由研究をやりましょうか。大まかなカテゴリとしては以下の3つがあるでしょう。

① 調べ学習

② 実験・観察

③ 工作

 

上のどれも普通にやってしまうと他の人と同じようなものになってしまいがちです。それぞれについて、オリジナリティを出すためにどのようなことを実践すれば良いか、書いていきたいと思います。

①『調べ学習』

調べ学習の目的は一般の人にあまり知られていないことをまとめること、そして発表することでそれをもっと多くの人に知ってもらうことにあります。しかしながら、すでに分かっていることをまとめなおすということもできます。したがって情報はすでにあるものを探してくるということになります。調べ学習においてオリジナリティを出すためには、与えられたデータをみて、直接には言えないかもしれない考察を導き、さらにそれを検証する作業を行うことが重要です。与えられたデータを自分の手で加工しなければオリジナリティの生じうるわけがありません。

具体例を挙げてみましょう。地球温暖化についてまとめたいとします。普通にやってしまうと wikipediaと同じになってしまうかそれ以下のものになるでしょう。これは、自分自身の考察が欠落しているためです。このような調べ学習には価値はありません。ピンポイントでいいので自分の考察を入れましょう。例えば自分なりに見積もった地球温暖化の影響を受ける人数と影響の大きさなどをまとめたりするのはどうでしょうか。海水面上昇で家をなくすかもしれない人数、気温上昇で感染症が今後流行するであろう地域に住む人数、農業が困難になるかもしれない地域に住む人数・・・。そして最後に「地球温暖化でこれだけの人数が影響を受ける可能性があるため、これだけの数の人間を保護するために必要な投資を行って地球温暖化を緩和させるべきだ」とまとめれば良いのです。ここでは人間についてのみ取り上げました。生態系などについての影響は無視されています。それでいいと思うのです。全てを完璧にまとめることはできないので、自分なりの視点というのが重要になってきます。

②『実験・観察』

これは他の人がやっていない実験や観察を行った時点で比較的オリジナリティが生じると思います。だだし、綿密な計画が成功のための条件とはなります。誰もやったことがない実験で、なおかつ、あなたができる実験というのは限られてきますが、生き物を題材としたものであれば実現可能なことも多いでしょう。物理や化学の実験は一見派手で面白そうに見えますが、それはすでによく知られていることを再現するだけで、なんの新しさもありません。学校の先生も「またこれか・・・」と思うに違いありません。その点、生物を使った実験観察は時間と手間はかかるものの、新しい発見がしやすい分野だと思います。

たとえば、水耕栽培などはどうでしょうか。私が中学生の時にやった観察です。肥料分を含む水溶液の中に植物の根を浸しながら育てるというものです。装置は発泡スチロールの箱などで自作することができます。水耕栽培といえば一般的には葉を食べる野菜を育てるのですが、このとき私はジャガイモを使いました。すると、小さめのものですがイモができました。しかし、このイモの表面には小さなつぶつぶができていました。そしてこれをジャガイモの病気ではないかと思って調べていると、水はけの悪い土壌で土壌中の酸素の不足が原因となって現れる症状であることがわかりました。このことから私は、水耕栽培において溶液に十分な酸素を含ませることが重要で、それが不十分だとジャガイモではこの症状が現れると結論しました。

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実験には予想外のことが必ずと言っていいほど出てくると思います。それを含めて自由研究にすればいいのです。特に生物の実験では「失敗は成功のもと」というのが成り立ちやすいと思います。

②『工作』

工作と言っても物理的なものだけが対象と決まっているわけではないのです。家にコンピューターはありますか。あるのであれば、現代ではインターネットも普及していますので、ウェブサイトを作ってみるとか、あるいは、プログラミングを勉強してみてその成果を発表するという手もあります。もちろん日常に役立つものを手作りするのはとてもオリジナリティのあることですが、少し難しいようにも思います。プログラミングは確かに難しいかもしれませんが、ウェブサイトであれば無料ですぐに作り始めることができます。

ところで、私のイチオシなのはプログラミングです。日本では小・中学生へのプログラミング教育はまだ進んでいませんが、海外では理科・数学に並ぶ重要な科目になっているところもあります。これは将来理系に進むなら特に有用であることは間違いありません。また、一部のプログラミング言語はごく普通の企業においても採用に有利に働くようですので、勉強して損はありません。それに何と言っても面白いと思います。ぜひチャレンジしてほしいと思いうのがプログラミングです。

以上、自由研究のおおまかな分類とそれぞれについてのオリジナリティの出し方を書いていきました。